かつて英文マニュアルに苦労した経験もあるだろう。最近はよほどマイナーなものを選lまない限り日本語のマニュアルが付いているので、安心して使える。

大は小を兼ねる

マザーボードは使用するCPUで選択肢が絞られ、そこから機能面で選ぶことになるが、それらは今はまだ置いておき、まずは大きさ選びからはじめよう。
パソコン工房
自作派のマザーボードは今も昔もATXとMicroATXの2種類に分かれる。要するに標準サイズか、小型サイズか。スリムタワーのような小型のPCを自作したいならMicroATXを使うが、やはり機能にわがままを求めるのが自作派の主流。ここは特 別な理由がない限りATXを選択したい。
MicroATXにはさまざまな制限がある。小さいのだから当然スロットの数も少なく、CPUの熱処理にも特別な方法が必要になることもある。以前、MicroATXにしておけば、ATXケースにも入るから。あとからケースを変えることもできるし、 小が大を兼ねるんだよ。」と言った人もいた。しかしこれでは自作の魅力が半減してしまう。やはり「あれもこれも」選びたくなるのが自作派となれば、大は小を兼ねるでいこう。

安物買いの銭失い

前項に続き、先人の教訓を並べてみたが、ことマザーボードについてはあまり安いモノに飛びつくとロクなことがない。チップセットをはじめとしたスペックを比べ、ほぽ同じレベルのものでもメーカーによって値段に大きく差が聞くことがある。これはどこが違うのだろうか。
特にここではどこのメーカーとは言わないが、マザーボード上に積まれている「石」の性能に差が出ることが多い。マザーボードの核になるチップセットは限られるので、メーカーや品番が同じならどれも同ーのものだが、その周りに散らばるトランジスタやコンデンサーの集積回路の中には、正直いって「ショボイ」ものがある。また、回路の作りそのものが三流で、搭載したCPUやメモリの性能を引き出せていないものもある。要するに、安いものは往々にして手足が弱いのだ。

大前提のソケット選び…CPUでソケットは決まる

マザーボードでは、当然ながら利用するCPUが刺さるマザーボードを選ばなければならない。多くの場合、パーツの購入時にはまずCPUを決めるので、それに従ってマザーが決まる。いくら気に入っているマザーボードがあっても、それに合わせてCPUを決める人はあまりいないだろう。さて、あらためてCPUとマザーボード(ソケット)の関係を確認しておこう。CPUを大別するインテル系とAMD系では、当然ながらソケットも違う。まずはインテル系のソケットから見ていこう。
インテル系は少し前まで、かなり複雑だった。Northwoodコアと初期のPrescottコアのPentium4はSocket478だったが、Prescottコアの途中からLGA775になり混乱を招いた。しかしこのLGA775はその後にわたって踏襲され、Core2Duoで、も LGA775が採用されている。つまり、インテル系のCPUを使うのなら、必然的にソケットはLGA775になる。
一方、AMD系では今、SocketAM2が主流だ。これは昨年から採用されているソケットで、今後しばらくはSocketAM2が続くだろう。しかし、一部にはまだ1つ前のsocket939が存在する。これらは、Socket939がDDRメモリをサポートしている ことに対し、SocketAM2で、はDDR2メモリをサポートしていることに違いがある。今、新しく自作をするならメモリは当然DDR2以上だろうから、SocketAM2を選ぶと良い。もし手元のDDRメモリを再利用したいならSocket939となるが、メモリの価格が下がっている今では、あえて旧式のソケットを選ぶことは得策とは言えないだろう。Athlon64 X2はSocket939で、動作する。最先端のデュアルコアが1つ前のマザーボードで使えるのは、PCをアップグレードする際にはとても助かる。実際にAthlon64X2が発表されたときは、「マザーボードを替える必要はない」と多いに宣伝された。Socket7時代が思い出される。ただ、結局は緊急避難だったのか、DDR2メモリの搭載によってソケットはSocketAM2に変わってしまった。

メモリはDDR2ならすべて使えるとは限らず注意が必要

メモリスロットは一見して、どれも同じように見える。168pinのDIMMならどれでも挿さる。しかし、実際には使えないものもある。DDRとDDR2で区別することは前項で述べたが、それだけでは予備知識としては不十分で、クロック数の対応も確認しなければならない。DDRの場合、PC3200はほぼ使えたが、PC2100が使えないものもあった。同様にDDR2でも、PC6400に対応していないマザーボードがまだ見られるようだ。このあたりは実際に製品を見て、仕様をくまなく確認しよう。
またインテル系のCPUを使うマザーボードでは、DDR2のサポートが早かったこともあり、以前のDDR用スロットを併設していることもある。つまりその頃はまだDDR2メモリが高かったので、当時普及していたDDR用も付けたという背景だ。特に安く売られていたり、半ばジャンクのような中古品にはこのような少し古いタイプのマザーボードも含まれているので、くれぐれも型番とメモリの対応は確認して欲しい。

注目して欲しいスロットの場所

メモリはあとから増設することがある。デュアルチャンネルを活かす場合、確実性の問題を考えるとあとから追加することはあまり望ましくないかもしれない。しかしそうは言っても、1GBのメモリを後で2GBにしたいことはあるだろう。
そのとき、マザーボードに関しでも重要な注目点がある。それはスロットの場所だ。メモリの追加や交換はたいへん気を遣う作業だ。メモリはちょっとした静電気でも破損する可能性があり、それにはPCパーツの中でもっとも基板部分が露出している部品であることが大きい。そのようなデリケートなパーツにも関わらず、追加や交換を行なうときにはかなり苦労する。ケースの中を這うケーブルをかきわけ、ようやく指先が届いたメモリスロットに挿そうとすれば、目は届かず、ほぽ手探りで押し込む。これではメモリがいつ破損しでもおかしくない。マザーボードによっては、メモリを増設するときに、ケースからハードディスクやドライブ類を外さなければ付けられないものすらある。そのため、マザーボードはメモリスロットの位置を十分に考えた上で購入したい。ケースを同時に買うなら、マザーボードを装着したときに、あとからでも交換ができる場所にあるか、手の届きやすい場所にあるかを確認したい。マザーボード上のスロット配置は性能選びの陰になり無視されがちな要素だが、メンテナンスを考えることも、いいマシンを作るための大切なポイントだ。

Intelのチップセットは純正主義

マザーボードにどのような機能が搭載されるかは、チップセットで決まる。それぞれCPUに適合するチップセットがいくつかあり、どれを選ぶかで全体のおおまかなスキームが見えてくると言えよう。ただ、チップセットはインテルとAMDだけではない。Intel、ATi、SiS、VIA、NVIDIAなどのブランドがあり、いわば「サードパーティ」が存在する。ここにAMDがないのはなぜか。以前はAMDも純正チップセットを供給していたが、その時代からAMDではサードパーテイ製品の利用が主流になっていた。そのような中でAMDがATiを合併したため、いわばATi製がAMDの純正になっている。
さて、チップセットは純正が理想だが、当然ながら割高になる。しかしCPUとのフィット感は純正ならでは。サードパーティ製だとグラフィックなどの足回りで今ひとつ性能を引き出せないことがある。現状ではインテル系ならli975xJが魅力的だ。Dual PCI Express X 16に対応しているため、高いグラフィックス性能を期待できる。ただしその後、メインストリーム向けとして発表されたCore2Duo向けのP965や、それにグラフイックを含んだG965は、テ。ユアルチャンネルDDR2-800をサポートしており、またサウスブリッジにはICH8、ICH8Rを組み合わせている。今後のことを考えれば最新のテクノロジーを搭載した後者の方が賢明な選択肢と言えるかもしれない。
一方、AMD系はどうだろうか。さきほど述べたように、ATi製を純正とすれば、1AMD 580X CrossFireJ、1AMD 480X CrossFireJ といったところが選択肢だろうか。これらはPCIExpress X 16に対応している。ただ、この点ではNVIDIAのnForce500シリーズもNVIDIAが培ったグラフィック性能に定評があり、またNVIDIA信者も多いことから、AMDでは従来どおりサードパーティも一考の価値がある。グラフイツク内蔵型なら、IAMD690GJが、IRADEON X1250J を内蔵しているので現状は本命といったところだろうか。いずれにしろ、チップセットは「新しいもの」を装備しておこう。値段で悩むことも多いが、お金をかける場所にはしっかり投資するのも、満足できるマシンを組むワザの1つだろう。

どこまで内蔵するか悩むところ

パソコン工房最近のマザーボードは、さまざまな機能が搭載されている。LANポートはオンボードが当たり前だし、サウンドカード(ここでカードという表現が正しいかは疑問だが)も例外なく標準装備だ。一方、インターフェイスではIEEE1394や従来の シリアルポートは消え、パラレルポートも見かけなくなった。このようなインターフェイスは、USBに取って代わったので特に不便さを感じないが、オンボードで搭載されているLANやサウンド、グラフィックなどはあらかじめ性能を考えておきたい。 LANはlOOBase-TXかギガビットイーサかを選択することになる。すでに主流はギガピットイーサになったが、まだ100Base-TXのマザーボードも存在するので、思いこみは危険だ。家庭のLANなら100Base-TXで、十分かもしれないが、すでに価格差がないに等しいギガビットイーサがあるなら、そちらを選んで損はない。またサウンドにこだわりたければ、別にカードを搭載することになる。そのときは内蔵を使わなければよいので、性能は気にしなくてもいいだろう。
これらに加え、十分に検討したいのがグラフィックの搭載。チップセットに統合されていれば、そのマザーボードはグラフィックオンボードとなるが、そこに何が統合されているかによって選択が決まるだろう。さしたる特徴のない汎用的なグラフイックには魅力がない。一方でGForceやRADEONが統合されていれば魅力的だ。これはグラフィックカードの項でも触れるが、どこまでのこだわりを持つかが決め手となる。

見えない場所のオシャレ

マザーボードを機能面から選択するのはもちろん重要だが、マザーボードには結構遊びも多い。たとえば無駄なくらいゴールドに輝くマザーボードを見たことがないだろうか? ケースに入れてしまえば見えないのに(そのため透明ケースに入れる人も多いらしい)、いったい何の意味があるのだろうかとツッコミたくなる。なぜ基板にイラストが書いてあるのだろうと悩むマザーボードもある。また、BIOSのエラーで「しゃべる」マザーボードもある。これには以前、ギヤル声で「ムカツクー」などと叫ぶ、まさにムカツクマザーボードもあった。しかし、これらを「無駄」とは考えず、遊びゴコロととらえてもらいたい。見えない場所のオシャレを楽しむのも自作の楽しみの一つなのだ。
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