モニタは今や液晶全盛。価格もこなれて、いまどき「ブラウン管で安く済ます」といったことは思いもつかない。

薄型の液晶モニタなら省スペース性も高く、天板の下からキーボードが出てくるようなPCデスクを使わなくても、モニタの前にキーボードを置ける。普通の机にPCを置けるのはありがたいことだ。液晶モニタは縦横の比で大別できる。

最近は「ワイド」が流行りだ。従来からのサイズは横4:縦3。ただ、テレピも地デジに向けて横16:縦9のワイドが標準になりつつある今、ワイドモニタが主流となるのは当然の流れだが、PCの画面としては4:3もまだまだ捨てがたい。

なぜなら、多くのソフトは4:3で使いやすいような設計になっているからだ。ワープロソフトで書類を作るにも、横長ワイドで、は左右が余って無駄になりがち。RPGで街を歩くにも、それほど横の方まで見えなくても良い。むしろ自分キャラの周囲をくまなく見るには4:3の方が便利なこともある。

同じインチでワイドは小さい

ワイドか4:3かを考えるとき、注意して欲しいのがインチの数値。たとえば同じ19インチでも、ワイドの方が狭く感じる。

実際に一般的なモニタでほぼ同じ最大解像度の製品を比べてみると、ワイド1440x 900 (WXGA+/1296000)4: 3 1280×1024 (SXGA/1310720)となる。上の2つを比べてみると、ワイドは幅が広く、4:3は縦が広い。どちらも一長一短に見えるが、縦幅が狭いとかなり窮屈に感じる。

なぜなら、Webサイトでもオフィスソフトでも、多くのソフトウェアは縦スクロールする機会が多いからだ。つまりPCは使っていると、横幅よりも縦幅を欲しいと思うようになる。その点でワイドは不利かもしれない。参考までに、右端に書いたのはそれぞれの解像度での総ピクセル数。面積だと考えてよいだろう。面積で比べてもあまり実用性はないが、これを見てもワイドは若干狭いことがわかる。

そもそも、インチ数とは、対角線の長さのこと。液晶モニタの場合は実際に表示される範囲の対角親で(ブラウン管は「枠」部分なので実際にはインチ数より若干狭くなる)、この長さが閉じモニタを比べれば、明らかにワイドは縦が狭い感じになることがわかるだろう。最近では、ワイドなら22インチ、4:3なら20インチが主流になっている。この2つが体感的にほとんど同じ広さだと思えばよい。

つまりワイドを買うなら、イメージよりも1つ広いインチ数を選ぶようにするべきだ。

アナログからデジタルヘ・RGBとDVI

モニタを見ると、入力端子の系統に2種類あることに気づく。1つは従来から見られる丸っこい台形のRGB(D-Sub) 端子。その横に角張った台形の端子がある。これはDVI端子と呼ばれるデジタル方式の入力端子だ。

小型のモニ夕、さらにビデオカード側でも廉価版にはRGB端子しかないこともある。これはショップピルドやBTO、メーカーパソコンでも同じだ。ただ、やはり自作するならDVI端子を備えておくことをオススメする。すべてがデジタルになりつつある時代に、モニタだけアナログのままでは遅れを取ってしまう。当然デジタルの方が映像は美しいし、ちらつきが無いくっきりした映像は目にも優しい。

テレビ録画をしたり、DVDを見るなら当然DVIは必須だ。さらに将来の地デジにまで手を伸ばすことを見込むなら、DVIを拡張したHDCPへの対応も考えよう。

暗号化されたHDCP

HDCPはDVIで送受信する電気信号を暗号化したものだ。つまり、暗号化されたデジタル信号は、HDCPに対応したビデオカードやモニタでなければ映し出せない。

たかがPCモニタ聞の映像信号に暗号化が必要なのか? と思いがちだが、ここには情報を保護するためのパックグラウンドがある。DVDの映像データや地デジ放送の信号が暗号化され、不正なコピーを防止するように設計されているのは周知の通り。当然、通常のビデオ機器で録画しようとしても、映像が乱れたり、孫コピーができないようになっている。

ところがPCでこれらを取り扱うときに、PC本体からモニタまでの間で暗号が解かれた状態の信号が流れる。しかもDVIならデジタル信号だ。

つまりここで抜き出せば、なんなくコピーできてしまうのだ。そこで、PCで再生し、出力した映像を録画機器に戻して複製するといった行為が横行した。そのためPCとモニタ聞の電気信号も暗号化し、複製から守る仕組みになっている。HDCPでは本体(信号の送出側)がモニタ(信号の受信側)を認証しなければ暗号を解除できない公開鍵の方式が採られているため、モニタの代わりに録画機器を取り付けても暗号の解除はできない。

ブルーレイやDVDならデジタルでクリアな映4象を観たい、さらに今後普及する地デジもPCで観たいというなら、HDCPに対応したDVI端子を搭載したモニタを選ぽう。

デジタル映像ならHDMI

ブルーレイドライブの普及なども見据えて、デジタル映像を十分に利用したいのなら、HDMI端子を持ったモニタが必要となる。

従来のDVI端子もデジタルには変わらないが、HDMIはさらに著作権保護などの機能を追加したものといえば、前述のHDCPと同じように思える。実はこのあたりはもっとも混乱しやすいところだ。HDCPは暗号化の方法で、HDMIがそれに対応した端子の規格である。よって前述のIHDCPに対応したモニタ」の端子にはHDMIも利用できるということになる。HDMIは家電のテレビにも多く搭載されている。

これは先行して視聴されている地デジなどに対応するためで、大型の液晶テレビやプラズマテレビの多くにHDMIが使われている。

これはPCからの接続も可能なことを示しており、以前のようにPC用モニタと家庭用テレビの境界線は少なくなりつつある。家庭用テレビの大型化が進む中で、PC用モニタとして使えば、これまでにないほどの広い画面で操作も可能だ。解像度についてはXGAやUXGAといったネーミングが語られるが、現在は2560×1600のWUXGAというサイズが存在する。この先どこまで広くなるのか。理論的には際限なく可能である。

余談だが、アメリカではすでにHDCPによる著作権保護技術に対応していないテレビは、販売が禁止されている。いずれ遠からず日本でも同じことになるだろう。今からデジタル映像技術のことを熟知しておけば損をしないで済む。

マルチモニタを使う

なんでもしたい欲張りな自作派なら、マルチモニタはどうだろうか。マルチモニタとは、モニタを2台以上並べて使うこと。たとえば20インチの4:3モニタを2台並べれば、単純に横幅が2倍のモニタと同じように使える。これは、電気店の店頭で見られる、同じ映像が複数のモニタに映し出されているものとはまったく違うので、勘違いはしないこと。

マルチモニタなら、片側のモニタにはネットの画面を、もう片側のモニタにはゲームを表示といった使い方ができる。2つのモニタは仮想的につながっている状態なので、lつのExcelで、超横長のワークシートを操作することも可能だが、モニタの境目に柱(モニタの枠フチ)ができるのは避けられないので、必ずしも使いやすいとは限らない。

前述のように、2つのソフトウェアを同時に使いたいといった状況に向いていると言える。マルチモニタを使うなら、ビデオカードもモニタの分だけ必要になる。一部のビデオカードには、はじめからマルチモニタ環境を前提とし、出力を2系統備えている製品もある。モニタを2つ並べるのは、置き場所にもそれなりの広さが必要だ。

しかし、いちいち[Alt]+ [Tab]やタスクパーで、表示するウインドウを切り替えながら操作するのは面倒極まりない。忙しい人、欲張りな人はモニタを並べてみてはいかがだろうか。3つ並べれば三面鏡のようになって、まるでどこかの博覧会で見られるマルチビジョンの映画館のようだ。

チューナー内蔵のモニタ

最近ではPCでテレビを観るのも特別なことではなくなった。しかし、PCでテレビを観る場合に、大きく分けて2つの方法があることを忘れてはいけない。

多くの場合は、ピデオカードにTVチューナーを内蔵し、WindowsMedia Center (以下WMC)を起動して観る方法を考えるだろう。WMCはWindows XP Media Center Edition以降に採用されたビデオ再生の標準的な手段で、これの善し悪しはともかく、WindowsVistaで‘もビデオ再生にはWMCが使われている。メーカーパソコンで「テレビ録画もできる」と謡う機種がゾロゾロと並んで・いるのは、大抵がこのパターンだ。

一方、モニタはテレビなのだから、モニタ単体ーでテレビを観る方法もある。確かにPCのモニタとテレビでは走査線の数も違うし、リフレッシュレートも異なる。それでもWMCで観ているわけで、重たいWMCを起動するのが面倒だったり、もっと言えはPCを起動するのが面倒だとなれば、TVチューナーを内蔵したモニタを使えばよい。

この場合、PCを起動しなくてもテレビを観られるのが最大のメリットとなり、またこうした製品ではテレビ感覚のリモコンも充実している。

ただ、PCで録画できないこと、PCの作業をしながらテレビを観られないのはマイナスだ。ただ前者はともかく、PCでテレビを観ながら別のソフトを操作するような状態は、実際のところそれほど無いのではないか?マルチモニタで片側をテレビ再生して、「ながら作業Jでもう片側をソフトウェアの操作に……といっても、片側のモニタがテレビであれば何もマルチモニタである必要もない。

要するに、テレビが観たければテレビがあればいい。録画したければハードディスクレコーダーを使えばいい。そんな家電派なら、TVチューナー内蔵モニタも一考に値する。