街で売られているメモリを見ると、IDDR2FB-DIMM PC5300-2GB(DDR667)Jといった表記がある。この数値から、選んだマザーボードやCPUに適合するメモリを選ばなければならない。

数字の読み方を再確認

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慣れてしまえば簡単なことなのだが、やはりここでも進化は日進月歩。表示されている数値は瞬く聞に増える。あらためて確認しておこう。簡単にいえば、iPCJに続く数値を8で割れば末尾のIDDRJに続く数値になる。これは普遍の法則。意味は、メモリクロックが667MHzまで、データ帯域が5300MB/sまでを示す。
あとは、使うCPUから適切な値を計算すればよいだけだ。
こちらは少しややこしいが、簡単に説明すると、「CPUのベースクロック数を2で割った値でメモリのベースクロックが決まる」となる。このことだけ覚えておけば大丈夫だ。つまり、CPUのベースクロックと、メモリのベースクロックを合わせればよ い。合わなければ、両方が整数倍になるようなメモリを選べばよい。さらに、2枚1組のデュアルチャンネルにすると、この値が2倍になると考える。たとえばCore2DuoのE系列を使ってみよう。Core2 DuoのE系列は、ベースクロックがl066MHzとなっている。そこで、当然ながらもっとも適切なメモリとしてはIDDR1O66= 1倍」を使えば一番シンプルでわかりやすい。ただ、実際にメモリを買おうと思えば、DDR1O66は高い。さらに後述するマザーボードのチップセットが比較的新しいP965EXというモデルを使っても、実際にはDDR1O66には対応しておらず、DDR800までとなっている。
そこで、整数「2」で割った、533MHzのメモリをデュアルチャンネルで使えば、実質上DDR1066となり、Core2Duoに適切なメモリとなる。ところで、メモリはDDR800が多く出回っており、さきほどのP965EXもここまでは対応している。
では高性能を求めてDDR800のデュアルチャンネルにしたらどうなるか。実質DDR1600で動作することになるが、この値はCPUのベースクロックより速い。つまりメモリの性能が余ることになる。ただ、メモリの性能が勝っていても、動作には 影響ないが(遅い方の速度になる)、速いメモリを積むことは無駄にはならない。それはオーバークロックにトライしたいときにたいへん重要になるので、いまいちど心得ておこう。オーバークロックについては後述する。

必要な容量

メモリの選定でまず気になるのは「どれだけの容量を積めばストレスなく使えるか」だ。かつて256MBでも十分快適に使えたWindowsだが、今となっては雀の涙。CPUが高速になる→Windowsが重くなる→メモリも多く必要になる。この現代版 ウインテルとでもいうような社会構造は、永遠に続くのだろうか? もっとも、これが技術の発展を促しているのかもしれないが。
さて、メモリの必要容量は、もちろん「やりたいこと」にもよるが、おおよそ2GBを積めば問題ないだろう。デスクトップ用のDIMMは大容量へのニーズからかなり値下がりしている。またCPUの周波数と違い、メモリでは容量あたりの単価が それほど変わらないので、予算をそれほど圧迫することもないだろう。迷ったら思い切って2GBを積もう。もちろんデュアルチャンネルで1GBx2とする方が理想だ。さきほどからデュアルチャンネルという言葉をくり返しているが、これは今のメモリ搭載の常識。詳しくは後述するが、要するに「同じメモリを2枚積むと、同じ容量で1枚より高性能」だと考えてよい。蛇足だが、どうしても2GBのメモリを買う予算が足りなければ、CPUのクロックを若干落としてでもメモリを多く積むことをオススメする。CPUのクロックがわずかに下がっても体感速度はあまり変わらない。むしろメモリが不足気味でメモリアクセスに時間がかかる方がストレスになる。

2枚差しのデュアルチャンネルが常套

自作から少し離れていた人にはピンとこないかもしれないが、今のメモリは「デュアルチャンネル」が常套だ。デュアルチャンネルとは、メモリを2枚1組で使い、単純な「容量2倍」以上の性能を引き出す仕組みである。メモリに書かれている「DDR」とは、「DoubleData Rate」のこと。つまりデュアルチャンネルで使えることを示しているに他なら ない。最近のマザーボードを見れば、よほど小さいものでない限りメモリスロットが4枚分ある。中には6枚分あるものもある。以前は3枚分といった中途半端なマザーボードもあったが、今は存在しないといってもよい。それもメモリをデュアルチャンネルで使えることが当たり前になっていることを表している。
すでに冒頭でも触れたが、メモリをデュアルチャンネルにすれば、クロック数が実質的に2倍になる。DDR800のメモリを2枚使えば、DDR1600と同等の性能を示す。これは、これまでの一般的なチップセットで‘はl本だったメモリパスを2本に増やし、2枚のメモリから同時にアクセスすることで、実質上のクロック数……つまりデータ転送速度を2倍にする仕組みだ。ただ、デュアルチャンネルメモリを使うためには、チップセットの対応が不可欠となる。しかし、今のCPUで使われるマザーボードのチップセットはほぼすべてデュアルチャンネル対応なので、この点を気にすることはない。
もちろん、同じ性能のメモリl枚に比べて、デュアルチャンネルにすれば1枚あたりのメモリ容量もクロック周波数も下がるので、より安いメモリを2枚買うことで総計価格が安くなる。結果、より高性能なメモリを多く積めるようにもなった。この仕組みが登場してから、メモリはスッキリ整理された。それまでのSDRAMではデータ転送速度を2倍にしたければ、クロック数を2倍にするしかない。技術的にも限界が見えていたので、RIMMなど別の規格を持つメモリも生まれた。一時期はメモリの規格が乱立し、市場を混乱させることもあった。しかし、デュアルチャンネルメモリの登場で、これらは一気に整理され、PCのメモリはほぼDIMMで統ーされた。単に性能が高くなった、コストが下がったといったメリットの他に、デュアルチャンネルは規格の統ーという面で大きく貢献をしている。

メモリは「同じもの、同じ容量」を守る

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デュアルチャンネルでメモリを使う場合、1点だけ要注意の項目がある。それは必ず「同じもの、同じ容量」で使うこと。たとえば、とりあえず1枚のメモリを搭載し、あとからもう1枚を買い足してデュアルチャンネルで使うことはほぼ無理だと考 えよう。特にバルク品の場合に、これで、デュアルチャンネルが動作したら奇跡に近い。デュアルチャンネルでは、寸分違わぬほど同じメモリが要求される。「容量が同じだから」、「同じ店で買ったから」は通用しない。メーカー品でも、ロットが違えばデュアルチャンネルで動作しないこともある。メモリは必ず2枚単位で買うのが鉄則だ。
同じメーカーの2本セットが品切れだからといって、1本入りの箱を2つ買うことも避けたい。バルク品であれば、さらに注意深いメモリ選びが必要になる。もっとも重要なことは、基板上に乗っているチップのメーカーを揃えること。これ はメモリの製造元ではない。あくまでチップの製造メーカーだ。ここが違うと、デュアルチャンネルはまず動作しない。また、厄介なことにデュアルチャンネルが動作しにくいチップのメーカーもある。大手のサムソンなどは比較的安定していると 言われているが、この点はショップの店員に状況を聞きながら選ぶようにしたい。
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